布団の品質表示
布団のラベルが必ず書くのは「繊維の組成」——消費者庁の繊維製品品質表示規程は、布団に洗濯の記号までは求めていませんでした
布団をクリーニングに出そうと決めたとき、まず手に取るのは布団の端に縫い付けられた小さなラベルです。何が書いてあるのかを、改めて読む機会はあまりありません。
服なら、洗濯の記号が並んだタグがたいてい付いています。水洗いできるか、乾燥機にかけてよいか、記号を見れば見当がつきます。
布団のラベルにも同じ記号があるはずだと思って裏返すと、繊維の名前と数字だけ、ということがあります。付け忘れなのか、そういう決まりなのか、少し迷うところです。
宅配のクリーニングで事故が起きたときの扱いは、前の記事で厚生労働省や国民生活センターの資料から読みました。今回は、その前の段階にあたるラベルの話です。
表示の決まりを定めているのは、家庭用品品質表示法と、それに基づいて消費者庁が告示している繊維製品品質表示規程です。e-Gov 法令検索で法律を、消費者庁の頁で規程と品目ごとの一覧表を開きました。
この記事では、法律と規程の文を2026年9月27日の時点のまま引きます。手元の布団をどう洗えばよいかは、ラベルに書いた表示者や、出す先のクリーニング店で確かめてください。
・布団の品質表示で義務になっているのは、繊維の組成と表示者名等
・消費者庁の一覧表では、布団の「家庭洗濯等取扱方法」の欄は「-」
・布団の組成は、詰物と布団側の生地の両方で示す
・詰物に繊維以外の物を使っていれば、その名称も書く
・羽毛は「ダウン」「フェザー」の用語で示し、混用率には誤差の幅が決められている
布団のラベルは、誰が決めた決まりで書かれているの?
ラベルの書き方には、決まりがあるの?
法律の第1条は、目的を一文で示しています。
この法律は、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護することを目的とする。
表示の中身を決めるのは、第3条です。品目ごとに標準を定める、という書き方でした。
内閣総理大臣は、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図るため、家庭用品ごとに、次に掲げる事項につき表示の標準となるべき事項を定めるものとする。
繊維でできた製品について、この標準にあたるのが繊維製品品質表示規程です。規程の第1条は、何を表示するかを別表に任せています。
繊維製品の品質に関し表示すべき事項は、別表第一の上欄に掲げる繊維製品について、それぞれ同表の下欄に掲げる事項とする。
布団に、洗濯の記号は義務なの?
布団のラベルにも、洗濯の記号を付けないといけないの?
別表第一は、繊維製品を行に分け、それぞれに表示すべき事項を並べた表です。布団は、ハンカチや風呂敷、タオルと同じ行にあり、その行の事項は繊維の組成だけでした。
同じ寝具でも、布団カバーや敷布、毛布は別の行です。こちらは繊維の組成に加えて、家庭洗濯等取扱方法も表示すべき事項になっていました。
洗濯の記号にあたる語は、規程の第2条で定義されています。
この規程において「取扱表示」とは、日本工業規格L〇〇〇一:二〇二四(繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法)の三に規定する記号をいう。
消費者庁の「繊維製品の表示について」の一覧表でも、布団の行は「繊維の組成」と「表示者名及び連絡先」に丸が付き、「家庭洗濯等取扱方法」の欄は「-」でした。記号の付いた布団もありますが、それは規程が求めている範囲の外で書かれている、ということです。
布団の組成は、どこの繊維を書くの?
中の綿と外の生地、どちらの繊維が書いてあるの?
「組成繊維」が何を指すかは、品目ごとに別表第二で決められていました。布団の号は、こう書かれています。
布団については、詰物を組成する繊維及び布団側の生地を組織し、編成し、又は構成している糸を組成する繊維
詰物に繊維以外の物が混ざっている場合の決まりも、第10条にありました。
布団の詰物として、繊維のほか、繊維以外の物を使用している場合は、第三条第一号又は第五条第一号若しくは第二号の規定による表示に際し、その物の名称を見やすいように付記しなければならない。
表示する人が守ることは、第3条の書き出しにまとめられています。
第一条に規定する表示事項の表示に際して、製造業者、販売業者又は表示業者(以下「表示者」という。)は、その品質を適正に表示するような方法を用いることとし、輸出すべき繊維製品に表示する場合を除き、特に次の事項を遵守するものとする。
羽毛の布団は、どう書かれるの?
「ダウン」と「フェザー」は、決まった言葉なの?
繊維や羽毛の名前の書き方を決めているのは、第6条です。
表示に際し繊維及び羽毛(以下「繊維等」という。)の名称を示す場合には、次の各号に定めるところによることとする。
第6条が指す別表第六では、羽毛の欄が2つに分かれています。ダウンは「ダウン」、その他の羽毛は「フェザー」と書く決まりでした。
混用率の数字には、許される誤差があります。別表第五は、数字の書き方ごとに号を分けていました。「ダウン90%」のような5の倍数には、第三号が当たります。
混用率を示す数値が五の整数倍(百を除く。)である場合は、プラス・マイナス五パーセント以内(前号に掲げる場合を除く。)。
どの号にも当たらない数字については、第四号が羽毛の誤差を別に決めています。
前各号に掲げる場合以外の場合は、毛又は羽毛の間にあってはプラス・マイナス五パーセント以内、それ以外にあってはプラス・マイナス四パーセント以内。
ラベルの「ダウン90%」は、プラス・マイナス五パーセントの幅を含んだ値として読むことになります。100%と書く場合は第一号の別の決まりになり、今回はそこまで読み込んでいません。
この記事で確認したこと
・家庭用品品質表示法は、家庭用品ごとに表示の標準を定める仕組み(第1条・第3条)
・繊維製品品質表示規程の別表第一で、布団の表示すべき事項は繊維の組成
・布団カバー・敷布・毛布は、家庭洗濯等取扱方法も表示すべき事項
・布団の組成繊維は、詰物と布団側の生地の糸(別表第二)
・詰物に繊維以外の物を使えば、その名称を付記(第10条)
・羽毛は「ダウン」「フェザー」、5の倍数で書いた混用率の誤差は±5%以内(別表第五)
よくある質問
洗濯の記号が付いていない布団は、洗えないということですか
今回読んだ規程は、布団に取扱表示を求めていないだけで、洗えるかどうかには触れていませんでした。洗い方は、ラベルの表示者や出す先のクリーニング店に確かめてください。
ラベルに書いてある会社名は、何のためですか
消費者庁の一覧表で、布団の行は「表示者名及び連絡先」にも丸が付いていました。表示の内容を問い合わせる先として、ラベルに残る形です。
クリーニングで事故が起きたら、ラベルの内容は関係しますか
事故のときの扱いは、前の記事で読んだ厚生労働省などの資料に書かれていました。今回読んだ規程は、表示の決まりまでで、事故の扱いには触れていません。
布団に洗濯の記号が付いていたら、どこで意味を確かめればよいですか
消費者庁は、洗濯表示の頁を表示した時期で3つに分けて載せていました。同じ番号の記号でも時期によって温度の書き方が違う行があることを、3本目の記事で読んでいます。
この整理が変わる条件
- 繊維製品品質表示規程が改正された場合(本記事は2026年9月27日に消費者庁の頁で読んだもの。最終改正は令和6年12月25日)
- 家庭用品品質表示法が改正された場合(本記事は2026年9月27日に e-Gov 法令検索で読んだもの)
- 布団ではなく、布団カバーや毛布の場合(別表第一の別の行で、家庭洗濯等取扱方法も表示すべき事項です)
出典
- 家庭用品品質表示法(昭和三十七年法律第百四号)第1条・第3条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000104
- 消費者庁「繊維製品品質表示規程」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_04.html
- 消費者庁「繊維製品の表示について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/fiber/
クリーニングに出す前に、ラベルの詰物の繊維と表示者名を控えておいてください。
上の出典を引いて確かめた日: